アパレル特有のCRMの特徴!ツール8選や成功事例も紹介
CEO
岡崎 徹
アパレルは他の業界に比べて、CRMの重要性が高く難易度も高いという特徴があります。
▼アパレル業界のCRMの特徴
- アパレルはウォンツ商材であるため難易度が高い
- 毎シーズン商品が入れ替わるため商品軸でリピートされにくい
- CRMをオンラインで完結させることが難しい
- 通販と店舗の両方がある場合は、連携が重要
これらを踏まえたうえでCRMに取り組まないと、思うような成果が得られない可能性があります。
また、ツールを選ぶ際にも上記を理解したうえで施策を決め、それに合わせて選定することが大切です。
この記事では、これまでさまざまな企業に対してコンサルティングをおこなってきた、CRM特化の支援会社「mtc.」が、以下のような内容を解説していきます。
- アパレル業界のCRMに取り組むうえで重要な考え方
- CRM施策の例
- CRMに取り組む際のツールの必要性やおすすめツール
この記事をお読みいただくことで、アパレル業界特有の考え方が理解でき、どのようにCRMを進めていけばいいかが分かります。
また、具体的なCRM施策が分かる成功事例も紹介していますので、ぜひ最後までお読みください。
お困りではありませんか?
- CRM施策を実施したいが、何から実施していいのかがわからない
- CRMの戦略はできているが、具体施策に落とし込めない
- CRMに対して課題は持っているが、社内にノウハウもリソースもない
もしこれらの課題をお持ちの方がいらっしゃいましたら、大手化粧品会社をはじめ創業から約7年に渡り一貫してCRM支援に携わってきた私たちmtc.にまずは相談してみませんか?
アパレル業界におけるCRMを再確認
まず、アパレル業界におけるCRMとはどのようなものかについて解説していきます。CRMツールに関して知りたい方は、「アパレル企業がCRMに取り組む際にツールは必要か?」からご覧ください。
CRMとは、「customer relationship management」の略で、「顧客関係管理」のことを指します。一般的には、商品やサービスを購入した顧客との関係を、維持・向上することで顧客満足度を高め、リピート・継続してもらうという概念です。
一般的には購入後の顧客が対象ですが、既存顧客だけでなく新規顧客にアプローチする段階から、CRMは始まっていると私たちは考えています。
見込み客の段階からCRMを実施することで、獲得前~獲得後までのコミュニケーションが一貫し、ブランドのファンになってもらいやすいからです。
逆に、既存顧客だけを対象にCRMを行うと、各フェーズでのコミュニケーションがバラバラになってしまい、ユーザーにブランドの世界観を正しく伝えることができません。
そのためアパレルにおけるCRMでは、オンラインショップや店舗で購入する前の見込み客から、すでに購入経験がある既存顧客までを対象とし、関係を構築していくこと・優れた購入体験を提供することだと捉えると良いでしょう。
アパレル業界のCRMの特徴
アパレル業界には、ほかの業界とは異なる特徴があるため、CRMに取り組むのであれば以下の4つの特徴を理解しておくことが大切です。
- 商品がウォンツ商材であるため、CRMの難易度が高い
- 毎シーズン商品が入れ替わるため商品軸でリピートされにくい
- CRMをオンラインで完結させることが難しい
- 通販と店舗の両方がある場合は、連携が重要
では、これらの特徴について解説していきます。
1.商品が「ウォンツ商材」であるため、CRMの難易度が高い
アパレル業界の特徴の一つとして、商品が「ニーズ商品」ではなく「ウォンツ商品」であることが挙げられます。
▼ニーズ商品とウォンツ商品の違い
ニーズ商品は、生活をするうえで欠かせないものであるため、消費者はどのような状況であっても購入します。しかしウォンツ商品の場合、それがなくても最低限の生活はできるため、不況や感染症などの、社会情勢に売り上げが左右されやすいという特徴があります。
コロナ禍ではそれが顕著に表れ、「出かけないのだから服は最低限でよい」と、普段よりも購入が減った方も多くいらっしゃるでしょう。また、最近では食品や電気代などの価格が上がり、ファッションなどのウォンツ商品を我慢せざるを得ないという家庭も増えています。
実際に「合同会社まるて」が2024年6月に調査した物価上昇における洋服代の変化によると、以前と比べて減ったという回答は全体の65%となりました。
このように、洋服にかけられるお金が以前よりも限られている人は多くいます。
社会や経済がどのような状況になっても自社のブランドで洋服を買いたいと思ってもらうには、顧客をブランドのファンにさせる取り組みや仕組みが重要になってきます。
2.毎シーズン商品が入れ替わるため商品軸でリピートされにくい
アパレルは、商品が毎シーズン入れ替わるという特徴があるため、一つの商品に対するリピートを獲得できないケースがほとんどです。そのため、ブランドに対してリピートされる状態を作っていかなくてはなりません。
具体的には、「そのブランド・ショップから購入したい」と思われるような購入体験が重要になります。
昔のアパレル業界を例に挙げると、「カリスマ店員」が分かりやすいでしょう。「その店員から購入すれば間違いない」「その店員に接客してもらいたい」など、商品よりもブランド(店員のコミュニケーション)に価値を感じてもらえれば、リピート購入に繋がっていました。
他にも「オンライン購入後に洋服を届ける箱の梱包をリッチにする」といった取り組みも、購入体験を充実させる取り組みの一つといえます。
アパレル商品の購入体験は主に以下の3つで完結するので、これらの中でいかに一つ一つの体験を充実させられるかが重要なポイントになります。
- 欲しい服を探す
- 購入する
- 自宅に届き試着する
3.CRMをオンラインで完結させることが難しい
コロナ禍では実店舗に行く機会が減少したため、オンラインでの購入が非常に増えました。そのため、最近ではオンラインで商品を探してそのまま購入するケースも少なくありません。
以下は、株式会社ネオマーケティングの「通販サイトと実店舗の使い分けに関する調査」から抜粋したものです。
実店舗と通販サイトの利用状況の質問では、「通販サイトを多く利用している」「実店舗も通販サイトも同じくらい利用している」という人を合わせると、66%と半数以上がよく通販サイトで服を購入していることがわかります。
しかし、実店舗では試着ができるため、サイズ感や色味などに対する不安を解消してから購入できます。そのことから、顧客にとって実店舗での購入はもっとも確実であり、通販で購入することに不安を持っているケースも少なくありません。
そのため、オンラインだけでCRMを完結させることが非常に難しいのです。
4.通販と店舗の両方がある場合は、連携が重要
アパレルには、通販(オンライン)と実店舗(オフライン)がありますが、両方を運営している場合は両者をいかに連携させられるかが重要です。
たとえば、通販で「どの商品の・どのサイズが・どの店舗にあるか」がわかるようにし、取り置きを依頼できるように連携しておけば、そのユーザーはあらかじめ欲しい商品を確実に購入できる状態で店舗に来店できます。
顧客体験がより良いものになり、通販を使いやすいものと思ってもらえる(リピートしてもらえる)可能性があります。また、店舗側も購入確度の高いユーザーに来店してもらえるため、売上を伸ばしやすいという側面もあります。
最近の消費者の購買傾向として、事前に商品をWebで調べてから購入することが増えました。しかし、アパレルの場合は試着してみなければサイズ感などの判断が難しいという特徴があります。
そのため、Webで調べた後にそのまま購入するのではなく、めぼしい商品を見つけたら実店舗に赴き、試着して購入するという手順を踏むという消費者も少なくありません。
そのため、オンラインとオフラインの連携が重要になるのです。
アパレル業界で取り入れられる主なCRM施策
アパレル業界で取り入れられる主なCRM施策を、実店舗と通販に分けて紹介します。
実店舗のCRM施策例
実店舗でのCRM施策には、以下のようなものがあります。
- 常連客が好きそうな新商品や在庫が少ない商品を取り置きしておく
- あえて話しかけず(話しかけられるまで接客をせず)、顧客が入りやすい雰囲気を作る
- 新商品の告知や受注会、クローズドな会員限定の販売会などをおこなう など
常連客が好きそうな商品を店員の判断で取り置きした場合、その常連客は「自分を特別に扱ってくれている」と感じ、よりそのブランドに愛着を持ってくれるでしょう。
また、アパレルといえば顧客に積極的に話しかけて接客するイメージがありますが、ファストファッションなどではあえて店員から話しかけないケースもあります。これは、顧客が自分のペースで商品を見られる「何度も来たい店」「気軽に立ち寄れる店」を目指した結果です。これもCRMの一環といえるでしょう。
受注会やクローズドな販売会などは、特別な顧客でなければそもそも招待しません。そのため、顧客はこれらに招待されることで、特別感を感じてブランドに対するロイヤルティも高まるでしょう。
通販のCRM施策例
通販でのCRM施策にはさまざまなものがありますが、メールやLINEにおいては以下のような施策があります。
- 在庫が少なくなったことを知らせるメール
- お気に入りが値引きされたことを知らせるメール
- 会員限定シークレットセールのメール
- LINEを使ったキャンペーンや新商品の告知
お気に入りに入れた商品の在庫が少なくなったり、値引きされたことをユーザーに知らせたりすることで、購入を後押しできます。また、会員限定のシークレットセールをメールで知らせることで、会員であるメリットを提供することが可能です。
LINEの場合はメールと異なり、ユーザーの反応速度が速いため、配信することで一時的にアクセス数を大きく取れるケースがあります。そのため、キャンペーンや新商品の告知などでマスメールのような使い方をすることで、効果的にWebサイトを訪れてもらえるでしょう。
また、通販の場合はメールやLINEの配信だけでなく、Web接客の重要度が高くなります。
Web接客では、以下のような施策があります。
- 以前購入した商品とのサイズ比較を一目でわかるようにする
- SNSやアプリなどで実際の着画像を見られるようにする
- カラーやサイズ感などから、過去の購入商品に応じたレコメンド
購入商品とのサイズ比較や着画像は、ユーザーが試着しなくても購入しやすいようにするための施策です。
また、よく購入するカラーなどでレコメンドを表示させることで、ユーザー好みの商品をおすすめしやすくなるため、リピート購入やクロスセルに繋げられます。
お困りではありませんか?
- CRM施策を実施したいが、何からはじめればいいのかがわからない
- 社内にノウハウもリソースもなく、アパレルに適したCRM施策がわからない
- 自社に適したツールを選びたいが、どれを選べばいいかわからない
もしこれらの課題をお持ちの方がいらっしゃいましたら、大手化粧品会社をはじめとして、創業から約7年に渡り一貫してCRM支援に携わってきた私たちmtc.にまずは相談してみませんか?
アパレルでCRMに取り組むメリット
アパレルでCRMに取り組むと、次のようなメリットが得られます。
- ファン化によりリピート購入が期待できる
- 集客施策(主に広告)にかかるコストを削減できる
- 施策の幅を広げられる
では、これらのメリットについて詳しく解説します。
ファン化によりリピート購入が期待できる
前述したようにアパレル企業は、商品が入れ替わっても、社会や経済がどのような状況であっても、自社を選んでもらえるように顧客をファン化することが重要です。
CRMを実施すると、顧客一人ひとりやセグメントごとに、適したコミュニケーションを取れるようになります。購入体験がより良くなるため、効果的にファンを作ることができ、自社をリピートしてもらえる可能性が高まります。
集客施策(広告)にかかるコストを削減できる
CRMによって自社の商品やサービスを繰り返し購入し続けてもらえる仕組みを作ることで、新規獲得にかかる費用を削減することができます。
そのため、
- 予算が上限に達してしまうため広告費の削減が必要
- CPAが高騰しているため改善しなければならない
といった課題を抱えている場合は、CRMを取り入れることがおすすめです。これまであまり力を入れていなかった場合は、簡単な施策から始めるだけでも、成果が出るケースがよくあります。
施策の幅を広げられる
CRMによってLTVが向上すれば、それに伴い許容CPA(限界CPA)も上がります。すると、今までは取り組めなかった施策にもチャレンジしやすくなります。
▼チャレンジできる施策の例
- 数は多いがCVRがあまり高くないターゲットへのアプローチ
- コストを懸念して取り組めなかったディスプレイ広告や動画広告などの施策
従来とは異なる施策にコストを投じるか検討する際に、「成果が出せなかったら…」とリスクを考えてチャレンジできないケースは多いでしょう。しかし、予算の一部をCRMに投下して許容CPAが上がれば、数ヵ月~1年後には取り組める施策の幅が増えていきます。
アパレル企業がCRMに取り組む際にツールは必要か?
CRMを実施していくにあたって、ツールを導入すべきかお悩みの方もいらっしゃるでしょう。ツール自体は必要になるケースが多いものの、導入のタイミングを間違えると失敗してしまうため、注意が必要です。
CRMツールが必要かを判断するために、以下の3点について把握しておきましょう。
- CRMツールとはなにか
- CRMツール導入でよくある失敗例
- アパレル業界でツールが最初から必須になるケース
では、解説します。
まず理解しておきたい「CRMツール」とはなにか
CRMツールが必要かを判断する前に、まずは「CRMツール」とはどのようなものを指すのかについて理解しておきましょう。
CRMツールに明確な定義はありませんが、基本的にはCRM施策を効率化する際に使用するツールのことを指します。
中には、「CRMツール=MA」とお考えの方もいらっしゃるでしょう。しかし、MAはCRMツールの一種であるものの、CRMツールはMAだけを指すわけではありません。
どのようなマーケティングを実施するかによって、どのツールを指すかが異なるので、さまざまなツールがCRMツールに該当します。
▼CRMツールの例
- メールでCRMを実施:メール配信システム
- Web接客でCRMを実施:Web接客ツール
- カスタマーサポートでCRMを実施:チャットボット
アパレル業界の場合は、メール配信システムはもちろんのこと、Web接客ツールなどのCXツールもCRMツールに含むのが特徴です。
CRMツール導入でよくある失敗例
CRMツールの導入によくある失敗例として、戦略を決める前に「とりあえず」でツールを導入してしまうケースです。施策を決める前にツールを導入してしまうと、適切なツールを選べないからです。
ツールはあくまでもCRM施策を効率化するためのものであり、セグメント分けやシナリオ作成は人の手でおこなわなければなりません。やることが決まっていない状態でツールを導入すると「機能が足りない」「逆に使わない機能が多くて費用対効果が悪い」といったことが起こりがちです。
まずはメール配信など、手動でおこなえる範囲はツールを使わずに試してみましょう。その施策の効果が出たら、効率化のためにツールの導入を検討するのが良いでしょう。
▼ツール導入の手順
- 実施したい施策を決定
- 手作業でテストを実施して結果を確認
- 作業を効率化するためにツールの導入を検討
CRMの導入手順に関しては、以下の記事を参考にしてください。
CRMツールとは|機能・導入タイミング・導入手順をわかりやすく解説 – 株式会社mtc.
アパレル業界でツールが最初から必須になるケース
オンラインとオフラインの施策やデータを連携する際には、最初からツールが必要です。たとえば、オンラインやオフライン共通の会員番号やポイント制度を取り入れる場合などです。
そのため、まずは自社でどのような施策に取り組むべきかを明確にし、必要なツールを導入しましょう。
アパレル業界でCRMをおこなう際におすすめのCXツール
アパレル業界向けのツールは、多岐に渡るため「やるべきこと」が定まっていないと選べません。どのような施策を実施するのかによって、導入するツールが大きく異なるからです。
CRMをおこなう際に導入を検討すべきツールとして、CRMツールだけなく顧客体験を向上するためのツール(CXツール)もあります。CXツールはさまざまな種類があり、ツールによって特徴も異なります。
本章では、多くのツールの中から例として次の3つを紹介します。
特徴 | |
KARTE | ・Web接客を通して顧客体験を向上することに特化したツール ・Web接客から分析・制作まで一気通貫でおこなえる |
STAFF START | ・店舗スタッフがECサイトに接客投稿できる ・スタッフのリアルな投稿により、ユーザーの共感や納得を生み出し、意思決定を後押しできる |
OTORIOKI | ・Webサイトで実店舗の商品をお取り置きできる ・購入意思を持って来店してもらえるため、購買率が高くなる |
では、詳しく解説していきます。
KARTE
KARTEとは、株式会社プレイドが提供しているBtoC向けのCX(顧客体験)プラットフォームです。Web接客を通して顧客体験を向上することに特化しており、Web接客から分析・制作までのCRMを一気通貫でおこなえます。
また、KARTEは純国産ツールであり、操作性に優れているため直感的に使えます。ポップアップやプッシュ通知など、さまざまなテンプレートが用意されているため、基本的にノーコードで操作ができ、専門知識がない方でも顧客体験の向上を図ることが可能です。
中小企業から大手企業まで幅広い導入実績があり、どのような企業規模・事業レベルでもKARTEで対応できます。
▼KARTEの費用
費用 |
要問合せ |
KARTEについては以下の記事で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
STAFF START
STAFF STARTは、店舗スタッフの接客をDX化(デジタル化)するためのツールです。具体的には、店舗スタッフがスナップ写真やショート動画を投稿したり、商品をプロ目線からレビューしたりすることで、オフラインで行う接客がオンライン上で行えるようになります。
また、自分の投稿やレビューなどから商品が購入されることで、店舗スタッフに成功体験を積ませることができ、従業員満足度の向上も期待できます。
▼STAFF STARTの費用
費用 |
要問合せ |
OTORIOKI
OTORIOKIは、Webサイトの商品を実店舗で取り置きできるツールです。ユーザーがWebサイトで欲しい商品を見つけた際に、確実に購入できるように取り置きを依頼できるため、効果的に来店を促して購買率を高められます。
既存のサイトと別システムでの運用が可能なので、導入のためのサイト改修がほとんど必要なく、簡単に導入できます。また、店舗スタッフも取り置き対応と引き取り確認だけおこなえばよいため、作業が大幅に増えることもありません。
▼OTORIOKIの費用
プラン | 費用 |
Trialプラン | ・初期費用:0円・月額費用:0円 |
スタンダードプラン | ・初期費用:9,800円・月額費用:98,000円~ |
カスタムプラン | ・初期費用:9,800円・月額費用:150,000円~ |
カスタム設置プラン | ・初期費用:要相談・月額費用:200,000円~ |
※最新の情報は公式サイトをご覧ください。
その他のCRMツール例
アパレルで活用できるCRMツールとして、CXツール以外のツールを一覧表にまとめました。
▼アパレルで活用されているCRMツール
特徴 | 費用 | |
カスタマーリングス | ・CRMツールとMAから進化した、顧客実感型マーケティングプラットフォーム ・ECと店舗の顧客データの統合・管理から、メールやLINEなどのコミュニケーションや分析まで簡単に実施できる ・オンラインサポートも充実している | 初期費用:問合せ 月額費用:問合せ |
Synergy! | ・柔軟性の高い顧客データベースを中心に、メール配信や広告配信などのさまざまな機能を、用途に応じて自由に組み合わせて利用できる ・アパレルならではの管理項目をカスタマイズできる ・導入後のサポートも充実している | 初期費用:118,000円~ 月額費用:20,000円〜 |
STORES | ・手軽にネットショップを開設でき、リピート施策や実店舗との連携まで可能 ・顧客管理で購入履歴や問い合わせ内容が記録できる ・メール配信やクーポンの配信、再入荷リクエスト機能などリピーター・ファンを育成する機能も充実している | 初期費用:0円 月額費用:0円〜 |
Flipdesk | ・ECサイト運営に特化したツール ・サイトの訪問ユーザーの属性・行動履歴を分析しできる ・チャットボットを簡単に作成できる | 初期費用:50,000円 月額費用:50,000円 |
Loyal Customer Vision | ・アパレル企業に特化した、優良顧客育成のためのツール ・購買履歴やポイント履歴から、来店数や購入金額などのデータまで一元管理できる ・分析機能も充実している | 初期費用:問合せ 月額費用:問合せ |
この表からもわかるように、CRMツールとして提供されるツールは、多くの機能を搭載しています。これらの機能は一見便利そうに見え、売り上げが上がるのではないかと感じるでしょう。
しかし、多機能であればあるほどいいわけではありません。MAを導入したものの、メール配信でしか利用していないといった企業は多くあり、そうなると宝の持ち腐れ状態になってしまうのです。
多機能であればあるほど、月額費用は高額になる傾向があります。そのため、自社が必要とする機能は何かを見極め、できるだけ不要な機能が搭載されていないツールを選ぶことも大切です。
CRMに取り組んだアパレルの成功事例
最後に、アパレルでの具体的なCRMの取り組みを知るために、弊社が支援した事例を紹介します。
ペルソナを設計してメール施策に取り組み、メール経由の売上が3倍に増加
モール型ECサービスを運営するA社は、ファッション特化型のECサービスを展開しました。
しかし、マーケティング施策が主にクーポンやポイント施策、および広告が中心となっており、モール型ECサービスと比較して、リピート率が圧倒的に低いことが課題となっていました。
そのため、新たに設定した目標を達成するためには、既存施策以外の打ち手が必要であり、新規顧客の獲得・顧客のリピート率を改善するべく、CRM施策を展開できる体制を構築する必要があり、弊社にご依頼をいただきました。
まず、ターゲット自体が明確になっていないこと、それに紐づく戦略がなかったため、ペルソナの設計を含めた戦略を立案。
メール施策にも注力し、以下のようなセグメントメールなどの配信をおこないました。
- 男女別のセグメントメール
- カテゴリ別のメール
- カート放置メール
- お気に入り商品が値下げ、ポイント還元率アップ、在庫通知
また、ポイントをオンライン・オフラインで連携させ、どちらでもポイントを貯められるようにしました。
結果、ペルソナ設計をおこなったことで、ユーザーとの理想とすべきコミュニケーションが明確化されました。また、メール施策においては、取り組みを通じて開封率は施策前の2倍、メール経由での売上が約3倍に増加しました。
さらに、数種類のみだったメールの切り口も、ペルソナに合わせて複数用意できるようになり、ユーザーに合わせたコミュニケーションを実現できるようになりました。
まとめ
この記事では、アパレルにおけるCRMについて解説してきました。最後にまとめをご覧ください。
■アパレル業界の特徴
- 商品が「ウォンツ商材」であるため、CRMの難易度が高い
- 毎シーズン商品が入れ替わるため商品軸でリピートされにくい
- CRMをオンラインで完結させることが難しい
- 通販と店舗の両方がある場合は、連携が重要
■アパレルで取り入れられる主なCRM施策
実店舗 | ・常連客が好きそうな新商品や在庫が少ない商品を取り置きしておく ・あえて話しかけず(話しかけられるまで接客をせず)、顧客が入りやすい雰囲気を作る ・新商品の告知や受注会、クローズドな会員限定の販売会などをおこなう など |
通販 | ・在庫が少なくなったことをメールで知らせる ・お気に入りが値引きされたことをメールで知らせる ・会員限定シークレットセールをメールで送る ・LINEを使ってキャンペーンや新商品の告知をする以前購入した商品とのサイズ比較が一目でわかるようにする ・SNSやアプリなどで実際の着画像を見られるようにする ・カラーやサイズ感などから、過去の購入商品に応じたレコメンドをする |
■アパレルでCRMに取り組む際のツールの必要性
- やることを決めてから必要なツールを導入する
- オンラインとオフラインの施策やデータを連携する場合はツールが必要になる
- Web接客関連のツールは多岐に渡るため、自社に適したものを選ぶことが大切
これからCRMに取り組みたいと考えているアパレル企業は、アパレル特有の考え方を理解し、顧客にいかにファンになってもらうかを考えて取り組んでみてください。
- CRM施策を実施したいが、何から実施していいのかがわからない
- CRMの戦略はできているが、具体施策に落とし込めない
- CRMに対して課題は持っているが、社内にノウハウもリソースもない
もしこれらの課題をお持ちの方がいらっしゃいましたら、大手化粧品会社をはじめ創業から約7年に渡り一貫してCRM支援に携わってきた私たちmtc.にまずは相談してみませんか?