顧客ポートフォリオおよびシナリオを策定する:すべてのお客様に漏れなくコミュニケーションを届けるために
CEO
岡崎 徹
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なぜやるのか:顔が見えないWebだからこそ、顧客分類に応じてコミュニケーションを最適化していくことが重要
リアルな店舗であれば、来店されたお客様に実際に声を掛けて接客するわけですが、初来店のお客様と常連客とでは接客の内容は異なります。また、最近来店されていない常連客に対しては、来店動機に繋がるDMを送付するなどのコミュニケーションを取るでしょう。
一方でECサイトなどオンライン上でのコミュニケーションでは、訪問ユーザーが初回客であろうが常連客であろうが関係なく、同一のコミュニケーションを行ってしまっているケースは多く見受けられます。
それはシステム都合や現場のリソース都合でそうなっているのかもしれませんが、売上をより増やしていくためには、オンラインであってもリアル店舗と同じようにお客様ごとに最適なコミュニケーションを展開することが大切です。
そしてお客様の顔が見えないWebだからこそ、ユーザーデータからお客様を分類し、分類ごとに適切なコミュニケーションを策定していくことが求められます。
どうやるのか:RFM分析で策定した顧客ポートフォリオをもとに、ライフサイクル/イベントベースでお客様が辿るであろうシナリオを策定する
まず行うべきが、顧客ポートフォリオの策定です。顧客ポートフォリオは、最終購入日(Recency)、購入頻度(Frequency)、購入金額(Monetary)の3つの指標で顧客を分類していくRFMで行うのが取りかかりやすいと考えています。
- 顧客を分類する一般的な指標
- 最終購入日(Recency)
- 購入頻度(Frequency)
- 購入金額(Monetary)
- RFM分析に必要なデータ
- 顧客IDごとの購買データ
- 顧客IDごとのアクセスログ
実際にRFMを軸にしてお客様を分類した顧客ポートフォリオが下記図になります。図の右上に位置するお客様ほどロイヤリティが高いお客様となっていきます。
なお、3つの指標をすべて用いるのではなく、最終購入日(Recency)と購入頻度(Frequency)のみで分類しても構いません。そしてRFMの3つの指標を用いるかどうかは、自社にとっての “ロイヤリティの高いお客様” がどういったお客様であるかによって異なります。
購入金額よりも、定期的に購入してくれるお客様をロイヤリティの高いお客様と定義する場合はRFのみでも良いでしょう。自社がお客様とどういった関係でありたいかであったり、扱う商材の単価などの事業特性から、分類指標を決めていきます(分類指標は最低2つ必要)。
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美容商材を取り扱うブランドの実際の顧客ポートフォリオ例
また、顧客データを分析していくと、初回購入(F1)から二回目購入(F2)へと転換するお客様の傾向など、お客様の態度変容が起きやすいタイミングが見えていきます。
そうしたお客様の態度変容が起きやすいタイミングで、お客様の状態に合わせた適切なコミュニケーションを取ることが重要であり、具体的にはお客様のシナリオを策定し、シナリオに対してコミュニケーション施策を立案・実行していきます。
シナリオは、サイト訪問を起点にライフサイクルベース(最終購入から何日目など)、およびイベントベース(商品ページに再訪問するなど)でお客様の辿っていくであろうシナリオを策定していきます。
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シナリオイメージ:初回購入(F1)から二回目購入(F2)、さらに三回目購入(F3)以降、またF1離脱やF2離脱など、お客様の辿りうるシナリオを分岐図に落とし込んでいく
- シナリオ策定のポイント
サイト訪問を起点に、下記二軸でお客様が辿っていくであろうシナリオを策定する。
- ライフサイクルベース(最終購入から何日目など)
- イベントベース(商品ページに再訪問するなど)
そして実際にお客様の態度変容に繋げていくために、策定したシナリオに対して、適切なコミュニケーション施策を立案・実行していきます。
- CRMに取り組んでいるものの、思うような成果が上がらない
- メールやLINE、MAの運用など様々な施策を横断的に取り組んでいるものの、正解が見つけられない
- リピート率向上やF2転換、LTVの向上など課題はあるものの、最適な打ち手が分からない
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