2024.07.11
CRM

LINEでCRMに取り組むべきか|メリットやはじめる前に検討すべきことを解説

CEO

岡崎 徹

CEO 岡崎 徹

LINEは国内で9,500万人以上もの利用者がおり、最近では顧客とのコミュニケーション(CRM)にLINEを検討する企業が増えています。

しかし、LINEはメールよりもコストがかかる傾向があるため、「さまざまな企業がやっているから」といって安易に取り入れるのはおすすめできません。

もちろん適切に活用すれば、チャネルのひとつとして非常に効果的なツールですので、メリットや注意点を理解し、自社に必要かを見極めることが重要です。

この記事では、これまでさまざまな企業に対してコンサルティングをおこなってきた、CRM特化の支援会社「mtc.」が、CRMにLINEを取り入れるメリットやおすすめの活用方法などを解説します

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もしこれらの課題をお持ちの方がいらっしゃいましたら、大手化粧品会社をはじめ創業から約7年に渡り一貫してCRM支援に携わってきた私たちmtc.にまずは相談してみませんか?

INDEX目次

LINEにおけるCRMとは

そもそもCRMとは顧客関係管理のことを指し、商品やサービスを購入した顧客との関係を、維持・向上することで顧客満足度を高め、リピート・継続してもらうという概念です。

CRMの取り組みのひとつとしてLINEを取り入れることで、ユーザーとのコミュニケーションを取るチャネルを増やせます

LINE自体は1つのチャネルでしかありません。そのため、「LINEを使えば効果的にCRMがおこなえるか」と言えば、それは顧客層や配信内容によって異なります。

LINE公式アカウントの料金プランは3種類

以前は、LINE公式アカウントのほかに、LINE@というサービスがありましたが、現在ではLINE公式アカウントに統一され、以下のような無料・有料プランができています。

引用:LINE公式アカウント 料金プラン|LINEヤフー for Business

コミュニケーションプランとライトプランは、無料メッセージ通数以上の配信はできません。そのため、ある程度の会員を保有している企業がLINE配信をコンスタントにおこなっていくのであれば、多くの場合はスタンダードプランを選ぶことになるでしょう。

スタンダードプランのメッセージ料金は、デフォルトで2円/通、メッセージ数を追加する場合は~3円/通がかかります。

一方で、メールを利用する場合の配信コストは、使用しているツールによって異なりますが、およそ「0.1~1円」です。

スタンダードプランの追加メッセージ料金からも分かるように、メールよりも配信コストが高く、配信すればするほどコストがかさんでしまいます

おすすめの使い方例

LINEの配信はコストがかかるものの、使い方によっては非常に高い効果を発揮します。

弊社がCRMにLINEを取り入れた際に、もっとも効果があると感じた使い方は、限定商品やキャンペーンなどをお知らせする「瞬間的な広告」としての配信することです。

「One to One」ではなく、「マスメール」のような使い方が効果を発揮しやすいと考えています。

LINEの配信に対するユーザーの反応速度は、メールに比べて非常に速いという特徴があります。そのため「その瞬間に興味を引く内容」を配信すれば、大量のアクセス数を短期間で得られる可能性があるのです。

LINEでCRMに取り組むメリット

LINEでCRMに取り組むメリットには、以下のようなものがあります。

  • メールよりも到達率、開封率が高い
  • ユーザーから反応を得られる速度が速く、瞬間風速が最大化しやすい
  • LINE特有の機能で顧客体験を向上できる

ではメリットについて、詳しく見ていきましょう。

メールよりも到達率、開封率が高い

LINEは、メールよりも到達率・開封率が高いという特徴があります。

メールの場合は送信したメールのうちエラーになり、送信先のメールサーバーに受け入れられない(メールが相手に届かない)こともありますが、LINEの場合は、公式アカウントがブロックされていなければ100%到達します。

株式会社Maneql(マネクル)の調査によると、配信したメッセージの平均開封率は、メールが10~30%なのに対して、LINEは55%です。LINEを活用してメッセージを配信すると、半数以上の人が開封してくれる可能性が高いということです。

※参考:メルマガやLINE公式アカウントとの違いや比較|Lステップ公式

ユーザーから反応を得られる速度が速く、瞬間風速が最大化しやすい

先ほど、「おすすめの使い方」で解説したように、LINEはメールよりもユーザーの反応が速いという特徴があります。そのため、配信する内容によっては、一時的にアクセス数を大きく取れるケースもあります。

その例として、ある大手のファッション通販サイトで、限定商品やキャンペーンなどの広告LINEをしたところ、配信後にアクセスが集中してしまったことで、サーバーがパンクしたこともあるほどです。

LINE特有の機能で顧客体験を向上できる

CRMとは直接関係ないメリットではありますが、LINE特有の機能を活用することで、顧客体験を向上できる可能性があります。

LINE特有の機能とは、以下のようなものです。

  • LINEから1タップするだけでECサイトにログインして商品を購入できる
  • LINEのトーク画面からカスタマーサポートに問い合わせできる
  • LINEからサービスの予約や申請ができる
  • リッチメニューから会員証を表示できる

このように、ユーザーにとってメールよりも手間が省ける機能が搭載されています。

LINEはただのメッセージ配信システムというよりも、ユーザーとさまざまなコミュニケーションを取るためのプラットフォームと考えられます。

そのため、Webサイトを持っていない企業が公式LINEを活用して、簡易Webサイト兼メッセージ配信ツールとして運用するケースもあります

CRMを実施するうえでLINEにも取り組むべきなのか

ここまでLINEの特徴やメリットについて解説しましたが、「結局、LINEは取り組んだ方がいいのか?」と感じた方もいらっしゃるでしょう。

LINEはより多くのユーザー(メールを読まないユーザー)とのコミュニケーションを取る手段の一つであるため、利用した方ががよいに越したことはありません。

しかし繰り返しになりますが、LINEはメールに比べてコストが高いため、費用対効果を考えることが重要です。

無料のプランもあるため、まずは無料で試してみて、大きな効果が得られそうであれば本格的に運用していくのがおすすめです。

LINEでCRMに取り組む前に検討すべきこと

たとえば、以下のような企業はLINEの費用対効果が高くなる可能性があります。

  • 現在、メールもLINEも取り入れていない
  • 顧客の年齢層が10~20代を中心としている
  • メールを開封してくれないユーザーが多い
  • 中小企業の飲食店などで、Webサイトを持っていない

現在メールもLINEも取り入れていない場合は、まずLINEからはじめてみる価値はあるため、自社の顧客層などを考えて検討してください。自社の顧客が「10~20代中心」といったように、メールを開封してくれない層なのであれば、LINEを取り入れることで効果を得やすくなります

また、メールは基本的に自社サイトに誘導するためのものですが、LINEはWebサイトを持っていなくても運用可能です。

そのため、中小企業の飲食店などでWebサイトを持っていない場合でも、LINEを活用してマーケティングをおこなうことができます。そのような使い方であれば、簡単に利用し始められるため、入り口としては取り組みやすいでしょう。

また、詳しくは後述しますが、LINEで本格的にユーザーとのコミュニケーション(シナリオ分岐や1to1のメッセージなど)を取りたいのであれば、自社サイトとの「ID連携」をしなければなりません。

ID連携をしなければMAと組み合わせることができず、細かなセグメント配信ができないのです。

LINEでCRMに取り組む場合の注意点

最後に、LINEでCRMに取り組む場合の注意点について解説していきます。

  • サイトとのID連携が非常に難しい
  • ユーザーのLINE IDをサイト側から取得する工夫が必要

では、詳しく見ていきましょう。

サイトとのID連携が非常に難しい

LINEは、自社のサイトとID連携することが重要です。

前述したとおり、LINEだけでは細かくセグメントを切ったり、シナリオを組んだりすることができません。精度の高いステップメールを送るには、MAツール(を連携させた自社サイト)との連携が必要です。

LINEと自社サイトのID連携の手順は、以下のとおりです。

▼ID連携手順
1.連携トークンを発行する
2.ユーザーに連携URLを送信する
3.自社サービスのユーザーIDを取得する
4.nonceを生成してユーザーをLINEプラットフォームにリダイレクトする
5.アカウントを連携する
※詳しくは、LINE Developersの「ユーザーアカウントの連携」をご覧ください

上記のように、ID連携をおこなうには専門的な知識が必要です。ただし、連携できれば効果的な配信が可能になります。

ユーザーのLINE IDをサイト側から取得する工夫が必要

ID連携ができても、ユーザーのLINE IDをサイト側から取得しなければ、IDを活用できません。つまり、サイトに来訪したユーザーに対して、「LINEのIDを教えてもらう」という工程が必要になるのです。

※ただの友だち連携だけだと、できることはほんとに限られてしまいます。「毎週販促lineを送る」「キャンペーン告知を送る」など、より効果的なCRMには発展しづらいでしょう。

こちらから何もしなければ、ユーザーはなかなかLINE IDを提供してくれないため、「教えてもいい」と思わせるような工夫をしなければなりません。

▼LINE IDを提供してもらうための取り組み例

  • サイトからLINE登録してくれたユーザーにポイントプレゼント
  • メールを見ない人に対して、LINEでも情報を受け取れることを周知
  • 会員登録の際にLINEで登録してもらう

ただし、連携してもらうことがゴールではなく、その後もブロックされないような工夫も必要な点に注意しましょう。

まとめ

この記事では、CRMに取り組む際にLINEを取り入れるべきかどうかについて解説しました。最後にまとめをご覧ください。

■LINEでCRMに取り組むメリット

  • メールよりも到達率、開封率が高い
  • ユーザーから反応を得られる速度が速い
  • LINE特有の機能で顧客体験を向上できる

■LINEに取り組む価値があるケースの例

  • コストはかかるが、LINEを告知として割り切って配信できる
  • 現在、メールもLINEも取り入れていない
  • 顧客の年齢層が10~20代を中心としている
  • メールを開封してくれないユーザーが多い
  • 中小企業の飲食店で、Webサイトを持っていない

■LINEでCRMに取り組む場合の注意点

  • サイトとのID連携が非常に難しい
  • ユーザーのLINE IDをサイト側から取得する工夫が必要

LINEはまず「コストが高い」という点を念頭に置き、それでも取り組むべきかを考える必要があります。自社に必要かを十分に検討し、ID連携ができそうかを判断してから、取り入れるかを決めましょう。

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  • CRMに対して課題は持っているが、社内にノウハウもリソースもない

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