2025.02.28
CRM

ユーザーコミュニケーションを改善する5つの最適化:ECサイトにおける接客の質を向上させるために

CEO

岡崎 徹

CEO 岡崎 徹

なぜやるのか:ECであっても、リアル店舗と同様に「接客の質」が売上に左右する重要な要素である

リアル店舗の場合、男性のお客様に対して店員はメンズファッションをご案内すると思います。お客様からの要望がない限り、基本的に男性のお客様に対してレディースファッションをご案内するということはありません。

しかしECの場合は、男性向けに女性向け商品をおすすめするといったことが頻繁に起こり得ます。たとえば会員向けにメールを一斉配信しているという場合は、メールを受信する方が男性であろうが女性であろうが内容が同じであるため、女性向けの商品の案内メールを男性の方にも送信しているといったことが起こります。

また、リアル店舗であればお客様のご要望を伺い、「それであれば、こちらはいかがでしょうか」といったお客様の好みや嗜好に合わせたご提案をしていきます。そうした接客の質が、売れる店員、売れない店員の違いとなるわけです。

同じように、ECの場合でも売れるECを目指すのであれば接客の質、すなわちお客様との接点となるオンライン上でのコミュニケーションをお客様ごとに最適化させていく必要があります。コミュニケーションの内容はもちろん、頻度やタイミング、またメールやLINEなどコミュニケーションチャネル含め、お客様の購買行動を促すためのコミュニケーション最適化を図っていくことが、ECの事業成長において非常に重要な要素になるのです。

当たり前のように聞こえるかもしれませんが、システム要因やリソース要因によってこれらの最適化を図れていないECサイトは多く見受けれられます。

どうやるのか:取得可能なすべてのデータから、お客様ごとに最適なコミュニケーションを図っていく

ユーザーコミュニケーションを最適化していく上で、特に注力すべきが次の5つです。

  • 最適な人
  • 最適なタイミング
  • 最適な内容
  • 最適な頻度
  • 最適なチャネル

それぞれについてご説明いたします。

1. 最適な人

冒頭でお伝えした通り、女性向け商品についてのメールであれば、女性会員にのみに配信するなど、コミュニケーションする “人” を最適化することが大切です。また、初回購入客なのかどうか、リピート客なのかどうかによっても届けるべきコミュニケーションの内容は異なるため、コミュニケーションの対象となる “人” をユーザーデータから分類していくことが求められます。

その際に属性データや購買データだけでなく、取得可能なユーザーデータをすべて収集・分析し、人の最適化を図ることで、さらなる事業成長に繋げていくことが可能です。

たとえば、会員データの変更ログをデータとして残しておくことで、仮に住所が変更されたお客様がいれば、引越しをした可能性があると判断し、インテリア商品をご案内するメールを送付するといったコミュニケーションが行えるわけです。

属性や購買データだけでなく、そうしたユーザー情報に紐づく変更ログやアクセスログなども含めて、取得可能なデータから最適な “人” に最適なコミュニケーションを行うことが大切です。

2. 最適なタイミング

続いて最適化を図るべきが、タイミングです。やってしまいがちな例として、メールの配信時間が挙げられます。「自社の会員は17時ごろが開封率が高いので、17時にメールを配信する」といった判断をされるケースは多く見受けられますが、当然ながらすべての会員が同じライフスタイルを送っているわけではありません。

そのため、理想は会員ごとにメールの開封データを収集し、会員ごとに最適な配信タイミングでメールを送付することです。

また、開封タイミングと購入タイミングが同じではない、ということは珍しくありません。たとえばLINEでのコミュニケーションの場合、通知のバッジを減らすために開封するということも往々にしてあります。

そのため、開封データだけでなく、開封後にいつクリックし、いつ購入したのかまでデータで取得し、お客様ごとに開封されやすい、アクションされやすいタイミングでコミュニケーションを行うことが重要です。

3. 最適な内容

コミュニケーションを行う “人” そして “タイミング” がわかっていても、肝心なコミュニケーションの内容、すなわちコンテンツがなければコミュニケーションを行うことができません。

そこで、人やタイミングに合わせた最適なコミュニケーション内容の企画が求められます。

なお、コミュニケーション施策の立案時は、「よく購入してくれるお客様にはこういった内容を送ろう」「リピート客に転換してもらうためにこういった内容を送ろう」など、売上をつくるためのコミュニケーション施策に寄ってしまいがちです。

そうして売上に繋がりづらいお客様とのコミュニケーションが後回しになってしまい、結果的にコミュニケーションを取るお客様とコミュニケーションを取らないお客様に分かれてしまうことがあります。

しかし、リアルな人間関係と同じく、友人と連絡を取らなくなると関係が疎遠になってしまうように、目先の売上だけでなく、ロイヤリティを上げるという視点を持ち、すべてのお客様に対してコミュニケーションを行うことが重要です。

漏れがなく、すべてのお客様に対してコミュニケーションが取れるよう企画することが求められます。

4. 最適な頻度

続いての最適化は、コミュニケーションの頻度です。当然ながら、過度なコミュニケーションはお客様にとって迷惑になってしまいます。そこで、どれくらいの頻度でのコミュニケーションを許容するかをお客様ごとに把握することが大切です。

お客様の中には、1日に10通のメールを配信しても開封率100%の人もいれば、1日2通以上送ると開封しないという人もいたりと、頻度による開封率は人それぞれです。そこでロジックとしては、お客様ごとの開封率が前日まで平均値よりも下がった場合は、配信通数を1通減らすといった形で、お客様ごとに最適なコミュニケーションの頻度を見つけていきます。

また、1週間で配信する通数も調整していくなど、日次だけでなく週次での変化も追いかけていき、最適化を図っていくのです。

5. 最適なチャネル

最後の最適化は、コミュニケーションチャネルです。様々な顧客データから、人や内容、タイミングなどの最適化を図ったとしても、そのお客様がよく見るコミュニケーションチャネルがメールではなくLINEであった場合、メールだけのコンテンツを用意していてはコミュニケーションを届けることができません。

そしてメールやLINEだけでなく、アプリのプッシュ通知であったり、Webサイトなど、様々なお客様とのコミュニケーション接点において、そのお客様に最適なコンテンツが用意されている状態を目指すことが重要です。

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