「顧客体験を見直し、継続出荷率は12%改善」理想とするWeb接客の土台ができたD2CコスメのCRM支援とは

2024.07.29
株式会社FRACORA
業種:化粧品
記事タイトル

化粧品や美容・健康食品の通信販売事業を展開する株式会社FRACORA(フラコラ)。

同社では戦略的なCRMを展開していくためのリソースおよび知見が不足していることが課題としてあり、このたびmtc.では同社のCRM全般を支援させていただきました。

「D2Cコスメの正解は美容部員の接客にあるのでは」という仮説から、顧客体験を見直し、ユーザーコミュニケーションの最適化を図っていった本プロジェクト。今後はサイトリニューアルを行い、より理想とするWeb接客の実現に向けてこれからもプロジェクトは続きます。

今回はあらためて同社がmtc.にご相談いただいた背景や決め手、またどのようにプロジェクトを進めていったのか、今後の展望などについて、同社 グロースマーケティング部にてCRMを担当されている大槻さま、そして本プロジェクトを担当したmtc. 北村が振り返りました。

INDEX目次

戦略的なCRMを実現するために。戦略立案から施策実行までをスピード感を持って取り組めるパートナーを探していた

北村:このたびmtc.では御社のCRM領域を支援させていただきました。あらためてご相談いただいた背景や当時の課題感をお伺いできますか?

大槻:もともと新規顧客の獲得がうまくいっていたこともあり、なかなかCRMにリソースを割けられていませんでした。そのため、お買い上げいただいたお客さまに対してチラシやガイドブックといった同梱物施策であったり、メールやLINEなどの施策も行ってはいたものの、戦略的にお客さまとのリレーションを築く取り組みができていなかったことが課題でした。

また当時は採用にも苦戦していました。社内リソースがなかったため、外部パートナーに業務を委託していたのですが、チャネルごとに様々な外部パートナーが入っていたこともあり、一気通貫で戦略を立てて進めていくことができていませんでした

そこであらためて、体制を立て直し、CRMを戦略的に進めていくべく、今回ご相談をさせてもらった背景になります。

FRACORA グロースマーケティング部 大槻さま

北村:様々な支援会社がある中、どのような点を重視して比較検討されていたのでしょうか? また、最終的にmtc.を選んでいただいた理由を教えてください。

大槻:はじめは「CRM コンサルティング」といったワードで検索して出てきたのがmtc.でした。たまたま当時の担当者の部下が、mtc.との繋がりがあることが分かり、紹介してもらったことがキッカケでした。

実は当時、すでに別の会社に依頼をしていたのですが、実際の施策実行までに数ヶ月かかってしまうなど、スピード感を持って取り組むことができていませんでした。そうした中、mtc.は戦略立案から施策実行まで行うことができ、打ち合わせの段階でもこちらの意図を汲んだ提案をいただけるなど、スピード感を持って垂直立ち上げができそうだと思えたことが依頼の決め手でした。

解約率改善に向けてCRM全体を見直し。また各ツールをKARTEに統合し、ノンコードで様々な施策展開が可能になった

北村:当時はCRM全体を管理する体制ができていなかったため、各チャネルでどういった施策を行っており、どのような状況であるかを把握するためには、担当者一人ひとりにヒアリングをしていく必要がありました。

ヒアリングを重ねていく中で、同梱物やメール、LINEなど各施策がどういった目的で、誰に対して行っているのかなどを整理・分類し、CRMの全体像を可視化。その上で、今後どういった展開をしていくべきかをディスカッションしていきましたね。

また商材が定期購入モデルであったため、いかに途中解約を減らすかが課題でした。そこで解約率を改善すべく、初期は同梱物からLINE施策まで、様々な施策を試していきました。特にシナリオメールに関しては、送付タイミングを見直し、最適なユーザーコミュニケーションを模索していきました。

大槻:これまでは各施策が個別に実施されており、戦略的にCRMを進めていく知見が社内に不足していました。そのため、たとえばシナリオメールとLINEをどう使い分けて連携するかなど、戦略的にタッチポイントを横断した施策展開には多くの学びがありました

そしてmtc.にやっていただいたことはどれも再現性のあるものであったため、コスメだけでなく、健康食品にも横展開ができたりと、弊社の各商材に発展できる土台ができていったと感じています。

北村:また、戦略的にメール施策を実施していくために、当時複数あったメール配信ツールを全て統合しようというお話もさせていただきました。当時、すでにKARTEを導入済みであったことから、メール配信ツールもKARTE一本にすることで、全てのチャネルが一つのツールで横断できるよう見直しをはかりましたね。将来的にWeb接客を進めていくことを見越した際、とても効率的な選択だと思いました。

KARTEであればノンコードで施策の実施が可能です。たとえばキャンペーンを実施する際、フォームを作成して応募者にはクーポンメールを送ることもKARTEであればスムーズに実現できます。

また2つあったECサイトを横断して施策を展開したり、LPOを進めていきたいというご要望もあったため、様々なことをKARTE一つで実現できるよう進めていきました。

大槻:以前まではツールが統一されていなかったため、プレゼントキャンペーンをやりたくても対象者を抽出してプレゼントを送付するといったことがしづらく、なかなかキャンペーン自体を実施することができていませんでした。

しかし、いまではKARTEで様々なデータを収集することができ、プレゼントキャンペーンを実施できるようになったことはもちろん、カゴ落ちメールを配信したり、LINEを含めて各タッチポイントのデータをKARTEで一元管理できたりと、様々なことができるようになりました。

そして他の支援会社であれば、対応範囲内のことしか相談できないことも往々にしてありますが、mtc.はパートナーとして成果最大化に向けて一緒に伴走してくれるため、いろいろと相談して壁打ちできたことは期待以上ですし、とても助かっています。

「D2Cコスメの正解は美容部員の接客にあるはず」顧客体験を意識し、出荷率は約12%向上。理想のWeb接客を目指して

北村:あらためてプロジェクトを通じて、成果として挙げられることがあれば教えてください。

大槻:まず定量的には、シナリオメールがうまく成果に繋がっており、定期配送をストップするお客さまが減ったことで継続出荷率は約12%向上しています。現状、解約率はさほど変化はしていませんが、今後解約率も改善されていくだろうと期待しています。

また、定性的には数字を振り返り、改善していく文化が醸成されていったことが大きな成果だと感じています。そもそも以前まではレポートに落とし込む文化があまりなく、各数値状況が共有されずに属人化しているような状態でした。

しかし、いまでは各データを収集することができ、施策に対しても週次でレポートしていくようになったため、そこから施策を振り返り、PDCAを回す流れがが定着しています。当たり前のことを当たり前にできるようになり、知見を蓄積できるようになったことは大きな成長だと思っています。

そして以前まではプロダクトアウトで意思決定しがちでした。しかしmtc.との取り組みを通じて、いまでは新商品や新ブランドをつくるときもユーザーアンケートを取ったり、実際にユーザーの声を聞くことを行うようになるなど、徐々にマーケットインで顧客視点を持って意思決定できるようになっていることも大きな変化です。

北村:フラコラはコスメを扱うD2Cブランドで競合他社も多いわけですが、今回mtc.として特に意識したのが顧客体験でした。

従来の美容業界では、百貨店や化粧品専門店にて美容部員が接客し、一人ひとりのお客さまに合わせて最適な商品をおすすめするカウンセリング販売が主流でした。しかし、ドラッグストアやECの台頭により、今ではドラコス(ドラッグストアコスメ)やプチプラコスメなど低価格帯のコスメがトレンドとなり、“接客しなくても売れるコスメ”が一般的となっています。その結果、昨今のコスメ業界は顧客体験を忘れがちではないかと感じました。

そこで、最適なユーザーコミュニケーションを図るために、D2Cコスメであっても「あなたに最適なコスメはこちらです」といった従来のコミュニケーション、つまり「美容部員の接客こそが良い顧客体験を創出できるのでは」と仮説を立てました。そして、今回フラコラにもともと美容部員として働いていた方がいたため、その方に言葉遣いや表現方法について、美容部員視点で監修してもらいながら改善を進めていきました。

現状サイトリニューアル前ということで、実施したいWeb接客はまだすべて実現できてはいませんが、リニューアル以降に理想とするWeb接客を実施していくことで、いろいろと数字的にも改善が見られるだろうと私自身ワクワクしています。

あらためて、これまでを振り返っての感想と今後mtc.に期待していることがあれば教えてください。

大槻:戦略立案から施策実行はもちろん、レポーティングやデータ分析、またLP制作など、まるっとご相談させてもらっており、非常に助かっていますし、信頼してCRM全般を任せられるパートナーがいることを嬉しく思っています。

これからも引き続きご支援いただきつつ、今後採用を強化していく予定のため、内製化に向けた教育などの支援であったり、再現性を持って横展開していく部分もぜひサポートいただければと思います。

北村:最初に伺った領域以外にも課題があるというのはよくあることで、成果最大化に向けてそうした課題を解決することが私たちmtc.の存在意義だと思っています。そのため、実際にイベントを手伝ってくださいと言われて設営を少しだけお手伝いさせてもらったこともありましたが、困りごとはなんでも解決していきたいと思っています。

外部の人だからと遠慮せずに、同じ社員として思っていただき、これからもなんでもご相談ください。本日はありがとうございました!

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